全国トップクラスの人出を誇る神奈川県藤沢市の片瀬西浜・鵠沼(くげぬま)、片瀬東浜の両海水浴場が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今夏は開設されない見通しになった。県が「海の家を完全予約制にする」といった指針で高いハードルを示し、運営側があきらめる形だ。関係者によると、各海水浴場を運営する組合が開設しない方向で最終調整しており、近く検討結果を藤沢市に報告する。
両海水浴場は人気観光地・江の島のすぐそばにあり、毎夏、首都圏などから多くの人が訪れる。環境省のまとめでは、2018年度の利用者は西浜が101万4千人で全国トップ。東浜は55万4千人だった。
神奈川県内では利用者が数十万人規模の海水浴場がほかにも複数あり、感染拡大を警戒する県は今月21日、沿岸部の13市町や各海水浴場の設置者団体に対し、海水浴場を今夏開設する場合は、海の家を完全予約制にする▽砂浜に一定間隔で目印を設置する▽イベントは中止する――などの事項を順守するよう求める指針案を提示していた。
県内では、茅ケ崎市が「サザンビーチちがさき海水浴場」を、大磯町が大磯海水浴場を開設しないとそれぞれ発表。関西でも、神戸市が27日、須磨海水浴場などの開設中止を発表している。(秦忠弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル